食べ物の好き嫌いがないのはとてもカッコイイことですが、「好き嫌いはないけど1コだけ食べられないものがある」って言う人にはもっとカッコ良さを感じます。
完璧にはなり切れない人間らしさ、全てに心を許すわけではない気高さ、主張し過ぎず主張する自分らしさ。色んなメッセージがそこには詰まっているのです。いるったらいるのです。
おれの場合は好き嫌いが激しく多いので、そんな崇高な場所には到底辿り着けません。ただただ羨望の眼差しで頂上を仰ぎ見ながら、カレーに入っているニンジンを他の食材と一緒にえいやっとかき込むのがやっとの日々なのです。かわいいですね。
食べ物の好き嫌いは遺伝や環境ではありません。
これは我が家の統計結果ですが、Uさんは好き嫌いがちょっとあるのに対して、Sさんは何でもかんでも口に運びます。おれが苦手なニンジンもキノコ類も貝類も、子供に敬遠されがちなピーマンやトマトも美味しい美味しいと食べるし、特に教えてないのに魚はきれいに食べるし、初めて見る食材でもちょっと食べてみるって食べるしそれをまた美味しいと言うしで、一体何がどうなってるんだと先日質問をしました。
「Sちゃんは食べられないものってないの?」
すると彼女は一言。
「なすび。」
・・・出たこれ。まさにこれ。好き嫌いはないけど1コだけ食べられないものがあるっていうやつ。おれが到底辿り着けずに羨望の眼差しで眺めてる頂上の方から聞こえるやつ。
まさか自分の娘がそんな場所にいたなんて。そんな頂きで「いただきます」だったなんて。
これはもう6歳児に尊敬の意を表するしかないおれなのですが、そんなことは関係ないといった感じで彼女は今朝もアスパラベーコンをもりもり食べて元気よく学校に行ったのでした。行ってらっしゃいませ。
それから始まるおれの朝食。好き嫌いマウンテンの五合目ぐらいからの「いただきます」でも、神様に届いていると良いのですが。

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