スーパー鬼ヶ岳クエスト
ある日、未来のアイテム「すまほのらいん」により山の神オプロからのお告げを受け、鬼退治へと向かうことなった勇者ごまぱん。初期装備の「きほんのつえ」と「たいむせーるのくつ」を携え、ついに現地に降り立ったのでした。
「ようこそ この山へ」
鬼からの歓迎は、間違ってないけどなんか雑。引っ越した時に使いまわす気マンマンの柱かな。
ステージ1:根っこうねうねゾーン
樹木の生命を感じながら迷路みたいな足元に気を付けて歩くぞ!
ステージ2:岩山ごつごつゾーン
コース選びが楽しめるぐらいにはゴツゴツしてるぞ!
ステージ3:人工すたすたゾーン
歩きやすくて怪しいぞ。罠に気を付けろ!なかったけど!
癒しのボーナスゾーンもありつつ、様々な特徴に富んだ各ステージを進めていくうちに、後方から何やら足音が聞こえて来た。
おれがヒィヒィ言いながら登って来た道を、おれよりも数段速く、小刻みなリズムを全く乱さずザッザッザッザッ…と着実に近付いて来る足音。こわい。自動追尾型ロボに違いない。どうしよう。
すぐ後ろまで迫り来る前におれはさらりと端に寄って、ロボの突進をかわすことに成功した。年配者風のその移動物はどうやら自動追尾型ではなく自動直進型だったようだ。「すいませーん」とか言うから「いーえー」とだけ返しておいた。挨拶大事。
しばらく進むと、2つの中ボスステージに入り込んだ。
どうやらここにはもう鬼にはいないようだ。先人の勇者がすでに退治してくれてるのかも知れないし、元々作り話かもしれない。
鬼を退治するというおれの目的はここで消えたが、先輩勇者の冒険を追体験するのも悪くないだろう。MP回復ドリンク(プロテイン)をふたくち飲んで再び歩を進めた。
段差の大きいゾーンに差し掛かった時おれの頭の中に、先日の越知山クエスト山頂で色々な山情報を教えてくれたおじさんの声がおぼろ気に甦って来た。
(お……け……さ…す……で…)
(お…たけは……んさ…すご………でし…)
(おにがたけは…だんさ…すご…いへんでした)
鬼ヶ岳は!!段差がすごくて大変でした!!
ここかー!!ここのことを教えてくれてたのかおじさんー!!その節はどうもー!!
そんな一期一会も山登りの良いところだろうか。糖尿病になって登山を始めたというあのおじさん、今日もどこか登ってるかな。
そんな思いを馳せたり馳せなかったりしてる間に、見えて来た。あの向こうに見えるのが鬼の元棲み家だ。
ついにおれは山頂へと辿り着いた。色々コンパクトに楽しい冒険だった。
鬼の宴の跡もある。レベル1の初期装備だから鬼がいなくて本当に良かった。
近くにあった小屋に入ってみると、何やら貼り紙が。
登頂5000回。勇者じゃん。勇者の記事じゃん。
雨の日も雪の日も午前2時から毎日登るって。
レベル5000の勇者白崎さんをひとしきり崇めつつ、レベル1の勇者のクエストはエンディングを向かえたのでした。サンキューフォーリーディング。
下山して、車に向かうと何やら歩きにくい絡み付きが。
こんなとこにこんなしっかり木の枝入る??
次のクエストに繋がる大事なアイテム???
TO BE CONTINUED???
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